【中学受験理科を家庭で教える】理科嫌いを克服② 熱での面積図・てんびん図の使い方

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 中学受験の理科では、他教科である算数の知識を利用することがよくあります。前回、その一例としてばねでの「比例」を取り上げました。今回は、熱での「反比例」についてご紹介致します。算数での「反比例」のポイントを押さえておけば、なぜ熱の計算で面積図やてんびん図で解くのかも理解できます。この記事がご家庭での学習の一助となれば幸いです。

ばねでの「比例」はこちら👇

【中学受験理科を家庭で教える】理科嫌いを克服① ばねの解き方の教え方!

1.熱量での計算問題でつまずくのはなぜ?!

 ずばり、その理由の1つは、熱量の計算では「算数の知識」をばんばん使うからです。具体的には、「反比例」、「逆比」、「面積図」・「てんびん図」を利用できる必要があります。

 その為、熱量の計算を対策するためには、まずこれらについて算数の基礎を確認することが重要となります。そして、次に典型問題の演習を通して、熱量での算数の応用についてポイントを整理すると良いでしょう。

 計算問題を解くためには、背景の理論をしっかり定着させることが大切です。理論が不十分だと、面積図やてんびん図での解法もただの図の暗記になってしまいます。なぜ面積図やてんびん図を描くのか、問題文からどの値を使って何を求めるのかをチェックするようにしましょう。

 

 熱量の計算が苦手な背景には「算数の知識」もある!

 2.熱で使う算数の知識は「反比例」

 熱量の計算の基礎にあるのは「反比例」です。まずは、反比例について関連事項を4点を整理していきます。お子様が理解できているか順に確かめてみて下さい。

 反比例とはどういう関係か説明できる?

 反比例とは、2つの量の関係で、「1つの量を2倍, 3倍すると、それに伴ってもう1つの量も1/2倍, 1/3倍になる関係」です。

 また、反比例のポイントは、2つの量をかけ合わせるといつも一定であることです。つまり2つの量の積が一定です。

 お子様が比例の考え方と取り違えていないか注意しましょう。

 反比例の表され方は何がある?

 反比例には、表、グラフ、式の3つの表され方があります。ただ、式は、理科では難関校以上で問われることが多いので、志望校に応じて理科で復習するかを判断して下さい。

 反比例の表、グラフの具体例は次のようなものがあります。

 反比例での比の関係は「正比」か「逆比」か?

 反比例は「逆比」です。逆比とは、逆数の比のことであり、2つの数の比であれば前項と後項を入れ換えたものになります。例えば、A:Bの逆比はB:Aになります。

 そのため、前述の例での比の関係は、「1分間に入れるお湯の量」と「満杯までの時間」が逆比になります。例えば、1分間に入れるお湯の量の比が1L : 2L=1 : 2のとき、満杯までの時間の比は240分 : 120分 = 2:1になります。

 反比例の関係を図で表すときには「線分図」か「面積図」か?

 反比例は「2つの量をかけ合わせると一定」という関係があります。その為、2つの量それぞれを長方形の辺、2つの量の積をその面積で示す「面積図」にて表すことができます。

 前述の例での「1分間に入れるお湯の量」・「満杯までの時間」・「お風呂の体積」を面積図で表すと、次のようになります。

面積図の考え方についてはこちら!

【算数の家庭学習をサポート】受験算数の教え方 第5回面積図とは①<親御さん向け不定期連載シリーズ>

 反比例である2つの量はかけ合わせると一定なので、面積図で表せる!

 3.熱の問題では「面積図」・「てんびん図」をフル活用!

 熱量での反比例と面積図

 ある量の水に熱を加えたり逆に奪ったりすると、水の温度は変化します。このとき、「水の量」と「温度変化」は反比例の関係です。

 従って、水の量・温度変化・熱量の関係は面積図で表すことができ、次のようになります。

 熱量の典型問題での面積図の使い方

 熱量の典型的な計算問題として次の例が挙げられます。

「40℃の水300gと70℃の水を混ぜて50℃にするためには、70℃の水が何g必要か。ただし、熱は水と水の間でのみやりとりされる。」

 もちろん熱量なので面積図を利用します。ポイントは温度変化に注目することです。

 ただ、面積図を描き始めるときには、0℃からの温度で面積図を描きます。2つの水について面積図を描くと、次のようになります。

 ここで、混ぜ合わせたあとの温度が50℃なので、40℃と70℃の水の温度変化はそれぞれ10℃と20℃になります。このとき、温度変化を図に書き込むことが重要です。

 また、40℃の水が得た熱量と70℃の水が失った熱量を考えると、面積図は次のようになります。

 70℃の水が失った熱量を40℃の水が受け取るので、2つの水の間でやりとりした熱量(面積)は変わりません。従って、70℃の水の量□gを求めると

10℃ × 300g = 20℃ × □g

□ = 150g

 となります。

 また、比で解くこともできます。面積図より温度変化の比は

10℃ : 20℃ = 1:2

 になります。水の量は逆比になるので2:1になるので、70℃の水の量□gは

2:1 = 300g : □g

□ = 150g

 と求められます。

 熱量のてんびん図ってどんなもの?

 前述の典型問題での面積図で、やりとりした熱量に注目すると、次のような図に書き直すことができます。そして、これをてんびん図と呼びます。

 

 てんびん図では、重さのない棒を考え、棒の長さを温度変化、おもりの重さを混合前の水の量に当てはめています。また、支点を混合後の温度としています。

 てんびん図を描くときも、面積図と同じく、温度変化を書き込むことが重要です。

 そして、力学のてこのつり合いを利用して、

300g × 10℃ = □g × 20℃

□ = 150g

 と求めていきます。

 ただ、この方法は力学のてこのつり合いがちゃんと分かっていることを前提にしています。その為、力学が苦手というお子様にてんびん図を教えるときには、力学の復習後にすることが望ましいです。

 基礎から力学をチェックしたい場合におすすめの参考書・問題集はこちら!

【中学受験】偏差値50以上にするための理科 おすすめ参考書・問題集5選

 「面積図」・「てんびん図」では温度変化に注目して図に書き込む。

 4.算数での弱点対策も同時進行で!

  熱量の計算の基礎となる算数の「反比例」・「逆比」・「面積図」は比較的難しい内容であり、苦手な生徒の多い事項です。一方で、受験必須の事項でもあります。これらの内容に弱点がある時には、受験生がさらに忙しくなる夏以降に備えて、計画性を持ち対策すると良いでしょう。

 
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