こんにちは。スタディメンターの箕浦です。
平均という言葉は世の中でよく耳にする言葉で、大人は何気なく使っていることも多いと思います。しかし大人にとっては何気なくても、子どもにとっては難しい考え方です。小学校の勉強では5年生の後半「平均、割合、単位量あたり」の部分が非常に理解がしづらい分野であり、そこで算数嫌いが出てきます。今回はそんな平均について、解説をしていこうと思います。
1.平均とは
まず平均という熟語から意味を考えてみましょう。
平均の「平」は「平ら」、「均」は「均一」などの言葉があり、何かを同じにするということがイメージできますよね。
平均とは下の図のように、「でこぼこした物を平らにして均一にすること」です。
もう少し算数的に言ってみると、「様々な数量の大小の凹凸をならすこと」と言っても良いでしょう。
次に平均の式について示していきます。上の言葉の意味からもわかるように、
「平均=合計÷個数」で平均が求められます。
ここで注意しなければならないのは、「合計と個数は足したり引いたりできるが、平均はそれができないこと」です。
例えば、
平均年令24才の5人組アイドルと平均年令26才の4人組アイドルがいたとしましょう。
この2組のアイドルの合計人数は5+4=9(人)とする事はできますが、2つのグループの平均年令が24+26=50(才)とする事はできませんよね。
ですので、平均を考える際は計算できる要素、つまり「合計」が求められるかが大切になってきます。
2.平均の問題の解き方
では、ここからは具体的な問題パターンに入っていきましょう。
5回のテストの合計点が80+78+84+75+90=407(点)と求まりますので、
5回の平均点は407÷5=81.4(点)となります。
まず、男子の平均点が77点とありますので、男子の合計点を考えます。
77×16=1232(点)
次にクラス全体の平均が78.4点とありますので、クラス全体の合計は
78.4×30=2352(点)
よって、女子の合計点は2352ー1232=1120(点)となり、
女子の平均点は
1120÷14=80(点)となります。
このような問題の時は、下のような表にまとめてから解いてみる事も一つの方法です。
↑上の表で、黒字は文章の条件にある物、赤字はそこから計算した物です。
さて、今までのテストの平均点が75点だから、そこから合計を求めようと思いますが・・・、あれっ?今まで何回のテストをしたんでしょうか。むしろ、そこを聞いてますよね。つまり、今までの合計はわかりません。
さらに、次のテストで100点を取った後の合計点も求まりません。
さて、困りました。
ここで秘密兵器が登場です。
以前、面積図は「かけ算で成り立っているものには使える」という話をしました。ここでも
「平均×個数=合計」ですので、もちろん活用できます。
今回の問題を面積図にしてみようと思います。下の図の左の長方形の面積は何回かのテストの合計点を表し、右の長方形は次のテストの合計点を表しています。
これが最終的には平均点80点になるので、下図のようになります。
これらを重ねてみると、
のようになります。ここで、黄色の部分の合計と赤の部分の合計は同じなので、斜線部分の2つの長方形の面積は同じになります。
左側は(80−75)×□
右側は(100ー80)×1
となり、これらが等しいので、
5×□=20
□=4
つまり今まで4回テストがあったことになります。
ここで平均の考え方をまとめておきましょう。
①合計が求まる場合は「平均=合計÷個数」を用いて計算を進める。
②合計が求まらない場合は面積図を書いて求める。
という2段構えで考えていきましょう。
3.まとめ
平均は面積図で解く事が多く、どういう時に面積図を書くのか、面積図の書き方はどうだったのか、などを正しく知っていないと応用が利きません。ですので、単に解けるのではなく、正しい手順で解けるようにする事が大切です。
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小学生をメインに学習指導を行っております。どんな問題でも分かりやすく解説できることを売りにしています。算数指導は非常に難しいものです。家庭でもお子様に指導できるように精一杯伝えていくつもりです。