算数を自宅で教えるのに苦戦しているご家庭は多く見られます。
一言で文章問題といっても、様々な解法があり、区別するのも難しいです。
今回は、「差集め算」について、まとめますが、似ているものとして「過不足算」もあります。
「差集め算」のような解法は、知らなくても基本レベルは解けます。ただ、入試問題になってくると、知らないと厳しいと思います。
また、やり方を覚えているだけでは意味がなく、きちんと理解していないと意味がありません。
1.差集め算とは?
差集め算という言葉から連想できると思いますが、差集め算とは名前のまんまで、差を集めて何かを考えるという問題です。
まずはこういう問題を考えてみましょう。
1個100円のアイスクリームと1個120円のアイスクリームを5個ずつ買った場合、何円の差があるでしょうか?
この問題を見た時に解法が2つ思いついた人は差集め算を理解していると言えるでしょう。小学3年生ぐらいまでは、解法が1つ思いつけば充分でしょう。
<解法1>
100円のアイスと5個買うと
100×5=500円
120円のアイスを5個買うと
120×5=600円
よって払った金額の差は
600ー500=100円
となります。
それでは解法2です。こちらが差集め算の考え方の基本となっています。
<解法2>
100円のアイスと120円のアイスを1個ずつ買うと
120ー100=20
20円の差ができます。
両方とも5個ずつ買いますので、
20×5=100
よって100円となります。
それぞれの解法をイメージ図で書いてみると、
というようになります。1個あたりの差を集めていって全体の差を考える(解法2の発想)が差集め算の考え方の基本です。
2.差集め算の問題パターン
ここでは差集め算の問題を紹介していこうと思います。簡単な物から入試問題までありますので、考えてみてください。以下解説においては先に紹介したイメージ図を使って問題の状況を捉えていきます。
(1)1本100円のシャーペンを何本か買うつもりで店に行きましたが、1本90円に値下げをしていたため、代金が50円少なくてすみました。さて、シャーペンを何本買うつもりで行ったでしょうか。
この1つあたりの差10円がいくつあったら差が50円になるかを考えるので、
50÷10=5
よって5本となります。
(2)1個150円のアイスクリームを何個か買うつもりで店に行きましたが、1個120円のアイスクリームしか売られていなかったため、同じ値段で4個多く買いました。さて、120円のアイスを何個買ったでしょうか。
これは少し難しいです。先程までの問題では、買った個数が同じでしたが、今回は買った個数が違うので、簡単にはいきません。まずはイメージ図を書いてみましょう。図を書くときは、線分図や面積図を書くのと同じで、「問題文に書いてある通りに書く」ようにしましょう。
図を見てわかる通り、120円が4個飛び出しています。この4個がなかったら先程までの図と同じように考えられるんだよなぁ、ってなりますよね。じゃあこの4個は買わなかったことにしましょう。そしたらお金は余りますよね。いくら余るかというと
120×4=480
480円余ります。そうなると下の図のようになり、
480÷30=16
16個となります。これは150円のアイスクリームを買う予定の個数なので、
120円のアイスは16+4=20
20個となります。
(3)入試問題です!
1個130円の品物を何個か買う予定で、お金をちょうど持っていきましたが、1個110円だったので、予定より2個多く買ったら、お金が80円余りました。さて、130円の品物を何個買う予定だったでしょうか。
この問題は先程の(2)の問題の応用です。同じように考えていけばすんなり解けますので、まずはイメージ図を書いてみましょう。
上の図になればOKです。(2)と同じように、出っ張っている部分がもしなかったらを考えてみましょう。もし、これがなかったら
110×2+80=300
300円の差ができ、下の図のようになります。
あとは簡単ですね。
300÷20=15
よって15個です。
(1)〜(3)で分かったように、差集め算では「同じ条件(個数)で差を考える」ということが大事です。入試問題の応用になってくると、そこまでのプロセスが非常に難しくなっています。
3.最後に
差集め算は入試問題でレベルが上がれば上がるほど、かなり難解な問題になってきますし、その他のジャンルとの複合問題も出てきます。まずは、この基本レベルの問題を通して、問題の着眼点の基礎を頭に入れて、そのあと応用的な問題に挑戦して行ってもらえればと思います。
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小学生をメインに学習指導を行っております。どんな問題でも分かりやすく解説できることを売りにしています。算数指導は非常に難しいものです。家庭でもお子様に指導できるように精一杯伝えていくつもりです。