こんにちは。スタディメンターの山﨑です。
高校数学にはたくさんの公式があります。塾や予備校では公式の覚え方を教えてくれます。今回は、塾や予備校に通っていない独学で学習している人のために、つまり、塾や予備校に通っている人に負けないように公式の覚え方を紹介します。
※あくまでも覚え方なので、厳密な原理と多少ズレるところがあります。
目次
1.公式を覚える理由
公式を覚えるべきかどうか、賛否両論あります。きちんと理解できている人からすれば、覚える方が面倒で、その分英単語の1つでも覚えた方が効率が良いという主張もあります。もちろん、その通りだと思います。
ただ、公式を覚えている人の方が優れている点もあります。覚え方を紹介する前に、メリットとデメリットを確認します。
メリット
・解き方を理解することに専念できる
・早く解ける
・発想しやすくなる
デメリット
・理解したつもりになりがち
・うろ覚えだと失点になる
2.公式暗記のメリット
計算するときなど、問題を解くときは、頭の中で先のことを考えます。
将棋やオセロと同じようなイメージです。相手の手を何パターンか考え、自分がどのような手を打つか考えるものです。公式を覚えていると、相手の手のパターンを多く考えることができます。
(※ オセロや将棋では、「待った」ができませんが、数学では「待った」はできます。計算用紙で十分に考えましょう。)
また、公式を覚えていると、計算スピードはかなり上がります。共通テスト(旧 センター試験)などでは、スピード勝負になります。そのような時に公式を覚えていなくて、証明しなおしていると時間がもったいないです。そういう点でも知っておくといいでしょう。
3.公式暗記のデメリット
うろ覚えだと普通に間違えます。覚えるならば、正確に覚えましょう。ただし、発想のために覚えるのであれば、うろ覚えでも十分です。思いついた後に、導出しましょう。
最も良くないのは、公式だけ覚えてしまう場合です。なぜ、その公式が成り立つのかを理解せずに結果だけ利用するのは止めましょう。それでは数学ができるようにはならないです。
4.公式集
様々な公式がありますが、三角関数の公式の一部の覚え方を紹介します。
三角関数は、公式が非常に多い分野です。正しく証明できる力もつけて欲しいところでもありますが、今回は公式の覚え方について紹介します。
補角の公式など
$$ \ sin ( π-θ ) = \ sinθ $$$$ \ cos ( π-θ ) = \ -cosθ $$
$$ \ tan ( π-θ ) = \ -tanθ $$
$$ \ sin ( -θ ) = \ -sinθ $$
$$ \ cos ( -θ ) = \ cosθ $$
$$ \ tan ( -θ ) = \ -tanθ $$
$$ \ sin ( \frac{ \pi }{ 2 }-θ ) = \ cosθ $$
$$ \ cos ( \frac{ \pi }{ 2 }-θ ) = \ sinθ $$
$$ \ tan ( \frac{ \pi }{ 2 }-θ ) = \frac{ 1 }{ tanθ } $$
$$ \ sin ( \frac{ \pi }{ 2 }∔θ ) = \ sinθ $$
$$ \ cos ( \frac{ \pi }{ 2 }+θ ) = \ -cosθ $$
$$ \ tan ( \frac{ \pi }{ 2 }+θ ) = – \frac{ 1 }{ tanθ } $$
ゴロ合わせというよりは、覚え方を覚えてもらうと、覚えることができるシリーズです。
ポイントは3つです。
〇 θを10°くらいと設定し、単位円に図示していく。
〇 cosは、単位円周上のx座標、sinはy座標だということから符号を決める。
$$ 〇 \frac{π}{2}を含めば、sin⇒cos,cos⇒sin へ変換する。π-θなどは、そのまま$$
簡単に図で表記します。
図で見やすくするためにθを小さい値にします。
それぞれの値は上記の図の位置になります。
例えば、点Aは第2象限にあるので、$$ \ cos ( \frac{ \pi }{ 2 }-θ ) は-になります。$$
そして、$$ \frac{π}{2}を含めば、sin⇒cos,cos⇒sin へ変換する。$$
$$ π-θなどは、そのまま $$
tanに関しては、
$$ tanθ= \frac{sinθ}{cosθ}$$ を利用して、計算しましょう。
加法定理
$$ \ sin ( α±β ) = \ sinαcosβ±cosαsinβ $$
$$ \ cos ( α±β ) = \ cosαcosβ̠∓sinαsinβ $$
$$ \ tan ( α±β ) = \ \frac{ tanα±tanβ }{ 1∓tanαtanβ } $$
加法定理には有名なゴロ?合わせがあります。というより、リズムで覚えて、気合いで何とかする感じではあります。
〇 咲いたコスモス、コスモス咲いた
〇 コスモスコスモス、咲いた咲いた
〇 いち マイ タンタン 、タン プラ タン いち プラ タンタン、タン マイ タン
リズムに合わせて読んでいると覚えますよ。
sinとcosの加法定理を覚えて、tanは導出するという手もあります。
少しずつ覚える量を減らしていけるといいと思います。
3倍角の公式
次は3倍角の公式です。加法定理より証明できます。
$$ \ sin3θ = \ 3sinθ‐4sin^3 θ $$
$$ \ cos3θ = \ -3cosθ+4cos^3 θ $$
3倍角の公式は、ゴロ合わせで行きましょう。
野球を少しでも知っている人は覚えやすいかもしれません。
〇三番 三振 四番 参上
野球のルールですね。三番バッターが三振すると、次は四番バッターが出てきます。
cosの方は、プラスとマイナスが逆になり、sinもcosに変わったと覚えてしまえば問題ないでしょう。
野球上級者ならば、
〇33対4
非常に覚えやすい。数字です。野球に詳しい人なら、参考に!
積和の公式
積和の公式は、加法定理から証明できます。
$$ \ sinαcosβ = \ \frac{1}{2} (sin(α+β)+sin(α-β)) $$
$$ \ cosαcosβ = \ \frac{1}{2} (cos(α+β)+cos(α-β)) $$
$$ \ sinαsinβ = \ – \frac{1}{2} (cos(α+β)-cos(α-β)) $$
ゴロ合わせというよりは、これもリズムに合わせて覚えるシリーズです。
〇サコサプサ
なんか韓国料理にありそうですね。sinとcosで、サコ。サプサは、sin + sin ってことです。
〇コココプコ
コプコっていうコンビニありそう。
〇ササマコマコ
ササマコさんが友達にいると覚えやすいですね。マコマコは、- cos – cos ってことです。
和積の公式
和積の公式は、加法定理、もしくは、積和の公式から証明できます。
$$ \ sinA+sinB = \ 2sin \frac{A+B}{2} cos \frac{A-B}{2} $$
$$ \ sinA-sinB = \ 2cos \frac{A+B}{2} sin \frac{A-B}{2} $$
$$ \ cosA+cosB = \ 2cos \frac{A+B}{2} cos \frac{A-B}{2} $$
$$ \ cosA-cosB = \ -2sin \frac{A+B}{2} sin \frac{A-B}{2} $$
これは完全にリズムに合わせて覚えるシリーズです。
一気にいきます
〇シンシンシンコ、シンシンコシン、コスコスコスコス、コスコスシンシン
リズムに合わせて読んで覚えてください。
オイラー多面体定理
凸多面体の(頂点の数)、(辺の数)、(面の数)の間には、
という関係があります。
ここは、ゴロで覚えましょう。(もちろん、なぜ成立するのか考えることは重要です。)
「線は、几帳面に引け!」
これで覚えられます。
線(辺の数)は(=)、几帳(頂点の数)面(面の数)に引け(-2)!
対応していて覚えやすいと思います。
5.忘れられやすい公式
三角関数などの公式は、様々な単元で重なって使用するため、使う頻度が高い。だから、覚えている人や自然と覚えた人も多いと思います。
以下は、単元が独立しているため、忘れさられている公式を紹介します。
分散と標準偏差
$$ 変量xのデータの値がx_1,x_2,…,x_n で、その平均値が \overline{x} のとき、$$
$$ 分散 s^2=\frac{1}{n}((x_1-\overline{x})+…+(x_n-\overline{x})) $$
$$ =(\overline{x^2})-(\overline{x})^2 $$
$$ 標準偏差 s=\sqrt{ 分散 } $$
6.公式も知識
公式を覚えることも知識を得ていることになります。知らないよりは知っていた方がいいものもあれば、絶対に覚えていた方がいい公式もあります。重要かどうかは先生に聞いてみて、優先順位をつけて覚えてもいいかもしてません。
何度も強調しますが、少しずつでいいので、公式の成り立ちを理解していきましょう。
教科書や参考書に書いてあります。理論が分かる力は入試には必要です。最初は、公式を覚えることからでいいです。少しずつ頑張っていきましょう。
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中学時はほとんど勉強する事無く、高校に進学したが、勉強法の書いてある本を読みあさり短期間での学力UPに成功。その経験を活かし、学生時代から塾で講師業に携わる。その後、大手予備校の校長も兼任しながら、多くの受験生を合格に導いてきた。現在は、講師業(医学部専門予備校など)に加え、Webサイトでより多くの受験生に学力UPのノウハウを伝えている。