【中学受験算数】サピックスの忙しい夏期講習を乗り切る復習ポイント!!

サピックスの夏期講習の攻略法をまとめている。
目次

こんにちは。スタディメンターの松本です。

いよいよ今年も大手中学受験塾の夏期講習がスタートしました。

毎年この時期は、通常授業と違いスケジュールが過密になっていて、復習が間に合わずに消化不良をおこす子どもが多くなります。

そこで今回はサピックスの5年・6年生に向けて、夏期講習の算数の復習をどうこなしていくか、そのポイントについて話していきます。

1.サピックスの夏期講習では完璧な復習を目標にしない!

通常授業と違い、夏期講習では毎日のように連続して授業があります。

そのためいつもなら一週間以内に復習すればよかったものの、夏期講習中は「その日のうちに復習させないと!」と思ってしまいがちです。 

しかし一番大事なことは、サピックスの授業内で扱った問題を、授業内で理解することです。

無理に授業後に復習させようとして、夜遅くまで勉強させると、帰って授業に集中できずに理解度が下がってしまうかもしれません。

また、中位クラス以下にいる子どもに授業で扱わなかった問題まで手をつけさせようとすると、かえってわからないものがどんどん増えてしまい、せっかくの夏期講習で何も身につけられなかったなんてことも起こり得ます。

基本的にサピックスの先生はクラス毎にやるべきものが違うことを意識した上で授業を進めています。

無理に授業で扱わなかった問題に手を出させずに、サマーサポートの授業内で扱った問題のうち理解不足なもの・授業内で間違えた問題を中心に復習させていくようにしましょう。

サマーサピックス(白い冊子)の方は、サピックスの授業がない週などの余裕のあるときに復習する用として、授業後すぐに取り組ませなくても大丈夫です。 

特に5年生以下の夏期講習で扱う内容は、5年後期や6年生になってから基本問題として再度扱うことがほとんどです。

焦らずに今必要なものをしっかりと身につけさせるようにしましょう。

☆必要以上に頑張らせないことが大事!

2.復習しやすい環境づくりと復習サイクルの目安

通常授業時にも言えることですが、正しく復習させて成績を上げるためには、復習の下準備が重要です。

サピックス生の復習のための下準備として、

①間違えた・理解不足な問題がどの問題なのかがすぐ見てわかる状態にしておく

②正しい解き方(先生がどう解いたのか)がわかりやすい状態にしておく

という2点を意識しましょう。

①の間違えた問題については、授業内で丸バツをつけているはずなのでほとんどの子どもは大丈夫です。

ただ、理解不足な問題は授業中の途中式などを親が見ても判断できないことがあります。

「先生の説明がよくわからなかった問題は”?”マークをつけておこうね。」などと子どもと約束しておきましょう。

?マークをつけた問題については、再度式を見ながら考えさせる・質問教室に持っていく・動画を見るなどして、早いうちに復習することで得点できるパターンに変わるかもしれません。

また、個別指導塾・オンライン家庭教師などを利用することも一つの手でしょう。

②については、正しい復習の仕方をまとめた記事でも説明しています。

復習の仕方に関しては、サピックスに通っている、通っていないということは関係なく、学習方法にポイントがあります。つまり、家庭での勉強の仕方、親の関わり方が重要です。

詳しくはこちら👇

塾に行かずに偏差値をアップさせる!中学受験算数を家庭で教えるポイントは?

かいつまんで説明すると、復習は習った解き方を再現することが重要です。

そのためには後で見返した際に、「何をどういう順序で求めていくのか」などがわかるように板書を写す必要があります。

式だけを写すのではなく、求めたものの意味などを日本語でまとめるような習慣を子どもにつけさせていきましょう。

復習サイクル(復習のペース)の目安としては、サピックスの授業がない期間に、そこまでに授業を受けた単元を復習するようにしましょう。

特に中位クラス以下の子どもは、あまりにも復習までの期間が空きすぎると知識がほとんど抜け落ちてしまいます。

そうなると説明を見返したり動画などを参考にしても、また1から理解しなければならなくなってしまうため、復習にかかる時間が多くなります。

上位のクラスに所属する子どもは、サピックスの授業がない期間は、授業で扱わなかった問題にチャレンジさせると良いでしょう。

☆後で復習しやすい状態を作ることを意識!

3.サピックス夏期講習の復習優先度(偏差値別ver.)

ここからは、サマーサポートのアプローチ部分の解き直しだけでは不安に感じるご家庭に向けての内容となります。

授業で扱わない、サマーサポートの確認編やサマーサピックスの問題をどこまで子どもに解かせるべきかを、所属クラスを上・中・下位に分けて見ていきます。

①下位クラスに所属する子ども

この夏までの成績が偏差値50を下回っている子どもは、上記の通り復習を第一に重視すべきです。

その上で、授業で扱わなかった問題として、

アプローチ①〜④の問題全て(単元にもよりますが、基本問題をしっかりとこなすという意味)を演習させましょう。

さらに、確認編のA・B問題を解かせて点数を出してあげてください。

もしこのレベルの問題で理解できていないようなら、夏のうちにしっかりと定着させることが望ましいため、解説・質問教室などで理解させ、定期的に復習させるようにしましょう。

サマーサピックスについては、☆1個の問題を中心に確認編A・Bと同じパターンの問題を、演習用の教材として補助的に使うことをオススメします。

6年生の夏でこのレベルの問題が解けない場合は、5年後期や6年前期のテキストを再度解き直させることも検討してください。

夏の間に基礎を固められるかどうかが、受験の合否を左右します。

②中位クラスに所属する子ども

この層に所属する子どもを1くくりにするのは難しいため、マンスリー・組分けテストの大問1から3での失点がある子どもとない子どもに大まかに分けて説明します。

計算・一行問題での失点がある子どもの場合

基礎知識に抜けがある子どもは、下位クラスの子どもと同じように夏期講習中に基礎固めを徹底することを心がけましょう。

確認編のA・Bを解かせて、理解度の低い単元を洗い出し、過去の通常授業テキストを復習させることをオススメします。

ただ、目指すレベルによっては確認編C問題まで取り組ませる必要もあります。

あくまでも基礎固めを重視しつつ、多少発展的な問題にも手をつけさせると良いかもしれません。

計算・一行問題での失点が少ない子どもの場合

アプローチの出来を見て、授業内で間違えたものが少ない単元は応用問題に取り組ませましょう。

残っているアプローチの問題の後半や確認編C・D問題、サマーサピックスの☆3個の問題を演習させて大丈夫です。

ただ、基礎はできるけど応用問題には手が出ないという子どもは、すぐに解説を読ませずにじっくり考えさせるクセをつけさせるようにしてください。

夏期講習の間に上位校の入試のための訓練として、基本知識をどう応用するかを身につけさせておくことが重要です。

③上位(α)クラスに所属する子ども

この層の子どもは、サマーサポート・サマーサピックスの全ての問題を解けるようにしておくことが望ましいです。

ただ、その日のうちや翌日にすぐに復習しなくても基本が抜けていることは少ないと思うので、時間に余裕があるときに取り組ませれば大丈夫です。

夏期講習のテキストは夏休みのうちに全ての問題を解けるようにしておくと良いでしょう。

4.5年生版 サピックス夏期講習の復習優先度(単元別ver.)

続いては学年別に、復習を重点的に行うべき単元についてです。

3段階評価で優先順位をつけました。

ただし、優先度が低いものは全く手をつけなくても良いというわけではないので注意してください。

復習優先度☆☆☆

比と割合(1)〜(4)、比と図形

5年生に関しては、夏期講習から比を扱う問題が入ってくることが一番の特徴です。

5年後期から入試本番まで、ほとんどの問題で比を扱うため、これらの単元は最優先で復習してください。

この単元の基礎で躓いている場合は、サピックスの「ベイシック」という別教材がありますので、ベイシックの割合・比・図形などを子どもにやらせる必要があります。

基本問題が多く載っている教材なので、演習を積ませて慣れさせていきましょう。

復習優先度☆☆

立体図形(1)(2)、平均算、2量の関係、点の移動

次に優先度が高いのは図形の分野です。

立体図形では、図形の形をしっかりと捉える問題や、複合図形の体積・表面積を求める問題は重要です。

また、平均算や点の移動では、今までと違い比を使って求める問題も扱うことになります。

どれも入試問題の基礎となるようなパターンばかりなので、割合・比をクリアしたあとにしっかりと取り組ませていきましょう。

復習優先度☆

約数・倍数、規則性、円と多角形、線対称・点対称

これらの単元の優先度が低い理由は、単純に比が混ざらないからです。

あくまでも比を扱う問題に比べて優先度が落ちるだけで、入試には良く出るテーマなので、夏期講習後など時間のあるときに必ず復習しましょう。

5.6年生版 サピックス夏期講習の復習優先度(単元別ver.)

6年生については、志望校の傾向・現状の偏差値・単元の得手不得手によってかなり重要度が変わります。

6年生になってから受けたテストの成績を振り返り、弱点となる単元を中心に復習することがベストです。

以下は一般的により多くの学校で出題されやすい順で並び替えているので、目安として参考にしてください。

復習優先度☆☆☆

割合、和と差に関する問題、平面図形、速さ

基本的にナンバリングが多い単元ほど、入試で様々なパターンが出題されるということになるため、重要になります。 

その中でも割合・平面図形・速さはほぼ全ての学校で出題されるため、サマーサポートの基本パターンから応用までしっかりと身につけておく必要があります。

ナンバリングのない単元ですが、和と差に関する問題では「和や差に注目する」という文章題での基本的な考え方を復習します。

差集め算や平均算など、色々な特殊算について触れる単元なので、入試の一行問題でしっかりと得点していくために重要な単元と言えます。

復習優先度☆☆

文章題総合、数の性質、規則性、立体図形、場合の数

数の性質・規則性・場合の数・立体図形については、中学校によって出題のされやすさが異なるものの、大問形式で問われることが多い単元です。

また、一行問題として小問での出題もあるため、優先度は高めです。

志望校によって、この単元の中でも重要度は変わります。

過去問などで傾向分析をする・算数の先生に相談する等して、優先順位をつけると良いでしょう。

復習優先度☆

図形の移動、推理と論証、表とグラフ

推理・表については出題される学校が限られてきます。

優先度☆☆の単元同様、志望校の傾向分析をした上で、どこまで取り組ませるかを判断しましょう。 

図形の移動の優先度が低い理由は、速さ・平面図形の知識が身についていないと図形の移動が攻略できないからです。

単元自体はかなり入試には頻出ですので、速さ・平面図形の復習が済んだ後にしっかりと取り組ませてください。

6.焦らず確実に復習してサピックスの夏期講習を乗り切ろう!

2020年度の夏期講習は、学校の夏休みが短くなった影響で、子どもにとっても親にとっても非常に忙しくなります。

そのためはじめに述べたように、全ての単元を完璧にしようとするとかえって逆効果になってしまうこともあります。

例年以上に復習の優先順位をつけることが重要になるので、この記事を参考にして実りある夏になるように過ごしてもらえればと思います。

 

学習方法や勉強計画などの無料相談も受け付けております。気軽にご連絡ください。少しでも勉強のお役に立てればと思います!

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