コロナウイルスによる新型肺炎の影響で、塾や学校が長い間休塾・休校になっています。
しかし、受験のゴールが1月から2月であることは変わりません。
この休みの間に子どもに何を勉強させるべきか悩んでいる親が非常に多いと思います。
そこで今回は、中学受験塾講師の観点から中堅校を狙う子どもに、今やらせるべき勉強についてお話します。
1、塾の休校中のフォローの内容を確認する
ほとんどの大手の中学受験塾では、普段使っているテキストのポイントを解説する映像コンテンツを配信していると思います。
ただ、現状の偏差値が50程度の平均的な子どもにとっては、映像を見るだけではいつもの授業と同じように理解できないかもしれません。
まずは親が映像をチェックして、子どもが一人で理解できそうかどうかを判断してあげてください。
もし親が授業を聞いてすぐに理解できないような内容であれば、偏差値50台の子どもが映像を見て勉強していくのは厳しいと思います。
☆親が自分の目で子どもの学習内容をチェック!
2、偏差値50台の子どもに予習は難しい!?
休塾中の映像授業は、テキストの例題を全て解説してもらえるわけではなく、ポイントを絞った解説になっているものがほとんどです。
そのため、もし映像授業の内容が理解できたとしても、パターンが少し変わった問題になると解けないという子が非常に多くいます。
また、先生の目がない状態で新しい単元の演習をさせると、子どもは自己流のその場しのぎの解き方をしてしまうこともあります。
休塾はほぼ全ての受験生にとって平等な措置ではあります。
ただ、この間に間違った解法を身につけて習慣化してしまうと、他の受験生よりも大きく遅れを取ることになってしまいます。
国語の文章読解のポイント・算数の図や式の書き方・理科の原理からの理解など、一度間違った考え方がクセになると矯正するまでに時間がかかるのです。
子どもの様子を見て、もし映像授業での理解度がイマイチだと思ったなら、新しい単元の予習はやらせないほうが良いでしょう。
☆ムリな予習は受験にとって逆効果かも!?
3、国語や理社の暗記事項を徹底する!
上記の通り、偏差値50台の子どもに予習をさせるのは得策ではありません。
今子どもにやらせる意味があるのは知識暗記です。
知識事項であれば習っていない分野でも、しっかりと管理すれば間違って覚えることはありません。
また、休校が明けると今後はよりレベルの高い問題を解くことになります。
そのためには現在までに学習した内容がきちんと身についていなければなりません。
実際に科目毎にやるべきことをまとめてみました。
3ー1、国語のやるべきこと
①漢字練習
漢字の読み書きは子どもの現在の学年用のテキストを全て終わらせるつもりで先取りしても問題ありません。
文章読解で漢字の意味がわからなくてつまずく子どももいますので、先に進めておくことで大きくアドバンテージをとれるでしょう。
②語彙力の強化
SAPIXの言葉ナビや、市販されている「中学受験必須難語2000」などの語彙力を身につけるテキストに取り組ませましょう。
国語の成績が伸び悩んでいる子どもは、語彙力が足りていないことが原因の一つになります。
読解力は子ども一人では身につけることはできませんが、この休みを利用して語彙力を伸ばすことで、同偏差値帯の子どもと大きく差をつけることができるでしょう。
③読書をさせて感想を親子で話し合う
国語が苦手な子どもは読書習慣がついていないことが多いです。
なるべく読みやすい小説を一冊でも多く子どもに読ませてあげましょう。
有名な作品は塾の模試や実際の入試の問題文として出題されるケースもありますので、多くの読書経験を積ませることは国語の成績に直結します。
ただ、普段読書をしない子どもにとって、いきなり本を買い与えて読ませるというのはハードルが高いかもしれません。
本屋や通販サイトなどで子どもと一緒に読む本を選ぶと良いでしょう。
また、時間があれば親も子どもと一緒に本を読んで感想を言い合うことで、子どもの読書への興味を強くすることができます。
読ませる本の選び方や読書に関する子どもへの声かけについては、こちらをご覧ください。
読書感想文の書き方についてはこちら👇
3ー2、理科・社会のやるべきこと
①知識事項の暗記
メモリーチェック・コアプラスなど、中学受験理科社会の知識をまとめたテキストは数多く出版されています。
これらのテキストはポイントのまとめを見ながら問題を解いていく形式のものが多く、子ども一人でも進めていけるように作られています。
ただ、特に理科については単純暗記をしてしまうと入試問題に対処できなくなってしまうこともあるため注意が必要です。
コアプラスの詳しい使い方はこちら👇
②前学年のテキストの復習
大手の中学受験塾のテキストの多くはスパイラル型になっています。
学年が進むにつれて難しい内容を扱うようになっているため、理科や社会が苦手な子どもは前年度のテキストまでさかのぼって内容を復習することが重要です。
この時期に過去の内容をしっかりと定着させることで、今後の学習の理解度も変わってきます。
4、算数は前年度の復習を徹底する!
特に新6年については、5年の後期から比を扱う問題が出てきたことでつまずいてしまう子どもが非常に多くいます。
ただ、実際には比の計算につまずいているのではなく、そもそも比を使わない基本パターンが身についていないケースもよく目にします。
特殊算と比・速さと比などが苦手な子どもは、4・5年のテキストの特殊算や速さを復習することをオススメします。
また、図形と比が弱点の子どもは、相似や面積比の基本パターンをチェックしておきましょう。
その他に、計算練習については毎日取り組ませるようにしましょう。
比が苦手な子どもの中には、整数の比の値を用いるパターンは解けても分数になると混乱する子どももいます。
分数・小数や単位換算などの計算練習に毎日少しずつ取り組ませて、苦手を克服していきましょう。
5、子ども一人でできることを確実に!
ここまで科目毎にやるべきことを話しましたが、共通しているポイントは、子どもが一人で取り組めるかどうかです。
親がチェックすることが難しい家庭もあると思いますので、無理に予習をさせて成績を下げてしまわないように勉強するものを指示してあげることが大切です。
休塾で悩んでいる家庭が多いですが、この記事を参考にして、少しでも他の受験生に差をつけられる期間にしてもらえればと思います。
学習方法や勉強計画などの無料相談も受け付けております。気軽にご連絡ください。少しでも勉強のお役に立てればと思います!
首都圏を中心とし、小中高校生に個別指導をしています。担当科目は、算数と数学。小中高一貫で指導しているため、小学生の頃に勉強の仕方を身につけさせ、その延長で大学受験まで指導できることは非常にやりやすいと感じております。これらの経験を伝えます。