医学部の受験生が目指す医者としての将来像は様々でしょう。「がんの治療法を見つけたいので、医学部卒業後も大学に残って研究医としての道を歩みたい。」「設備の整った総合病院で勤務医として働きたい。」「地域住民の健康に貢献する開業医になりたい。」など、多様な方向性があります。
ただ、目指す方向性と志望する医学部によっては、学閥が影響する可能性があります。学閥とは医学部の人事・研究費等の勢力範囲のことで、影響力が強いのは伝統校、学力が上位の学校、所在地域における影響力が強い学校です。目指す方向性の違いによる学閥の影響力の強さを説明します。
1.大学に残り研究医を目指す場合
最も学閥の影響力が強いと言えます。影響力が強い大学としてまず挙げられるのは、旧帝国大学で歴史のある大学の東京大学、京都大学、名古屋大学、東北大学、北海道大学、大阪大学、名古屋大学です。
次に影響力が強いのは、旧帝国大学に次いで歴史のある千葉大学、新潟大学、岡山大学、金沢大学、熊本大学、長崎大学、熊本大学、京都府立医科大学です。
私立大学の中で影響力が強いのは、慶応義塾大学、慈恵医大、日本医大です。
これらの大学出身者が、比較的研究に力を入れていない或いは医学部の歴史が比較的浅い国公立大学や私立大学の教授ポストを占めることがあります。
上記の大学を志望する場合や、大学教授にならなくても研究が続けられればいいという人にとっての影響は軽微でしょうが、研究を続けて最終的に大学教授になりたいと考えている人にとっては検討を要すると言えるでしょう。
2.総合病院で勤務医を目指す場合
総合病院への学閥の影響力は、病院の形態によって異なります。総合病院には、「大学の附属病院」「国立・公立の総合病院」「民間の総合病院」がありますが、前2者への影響力は強いと言えます。
単なる勤務医にはほとんど影響はありませんが、外科部長などの役職者を目指す場合に影響することがあります。民間の総合病院への影響力は様々で、強い場合も全く無い場合もあります。
大学によっては、関連病院をホームページに掲載しており、掲載されている病院への影響力は強いと言えるでしょう。
3.開業医を目指す場合
学閥の影響力が無い、あってもごく小さいと言えます。開業医は個人或いは少数の医者による診療形態だからです。
患者さんが通院先を選択するのは、「医者の腕が良い」「待ち時間を短くする工夫をしている」「よく声掛けをしてくれて親しみやすい」「清潔なクリニックである」といった理由によるもので、医者がどの学閥に属しているかがクリニックの経営に影響することはほぼないと言えるでしょう。
4.自分への学閥の影響を考えよう
学閥の話は、受験生によっては理不尽に映ることもあるかもしれませんが、避けようが無い事実です。
志望する医学部を検討する際に、偏差値・所在地域・学費は必然的な検討要素ですが、目指す方向性によっては学閥を検討要素に加えてください。
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中学時はほとんど勉強する事無く、高校に進学したが、勉強法の書いてある本を読みあさり短期間での学力UPに成功。その経験を活かし、学生時代から塾で講師業に携わる。その後、大手予備校の校長も兼任しながら、多くの受験生を合格に導いてきた。現在は、講師業(医学部専門予備校など)に加え、Webサイトでより多くの受験生に学力UPのノウハウを伝えている。