【小学生】親子で実践!読書感想文の書き方とは!?【夏休みの宿題編】

読書感想文
目次

小学生の子供が夏休みや冬休みなどの長期休暇の宿題で最も頭を悩ませるものの1つといえば読書感想文です。子供の筆がなかなか進まず、やきもきするお母さん、子供が書き出しも書けずにイライラするお父さん、小学生の弟が読書感想文を書くのが下手だなあと見ているお兄ちゃん、様々な状況が家庭にあることと思います。ここでは、そんな子供でもスラスラ簡単に、読書感想文を書けるようにするためのコツをいくつかご紹介したいと思います。

1.読書感想文の指導は簡単!「型」を知ることがコツ

読書感想文の基本は「エッセイ(随筆)」

そもそも「読書感想文」とは、ただ単に本を読んだ感想を述べる文章ではありません。読書感想文の正体とは、本の内容と自分の生活での気付きを結びつける「エッセイ(随筆)」なのです。だからこそ、読書感想文を作るときには、以下の流れに沿って書くことが重要となります。

① 本の概要とまとめ

⓶ 関連する自分の身近な体験やことがらを踏まえた気づき

③ 今後どのようにしたいかという意見、感想

 

小学生が感想文を書く時は、思いついたことを書き出し、ただ羅列するだけになってしまい、文章の展開や掘り下げができず、「書くことが無い…」「ただの書き出しになってしまった」という無駄な時間を使う事態に陥ってしまいがちです。ですので、親がこうした型を知っておくだけでも、次にどのようなことを書くべきかという全体を俯瞰した視点を持てるので、子供が書くべき内容をある程度誘導してあげることが可能です。

親子で、読書感想文を書くならば、「型(コツ)」を意識

物語文に共通する「型」を知ることがコツ

本の概要を書く際、全体の分量が多いと書くべきことが多く、まとまりにくいというケースがあります。また、子供があらすじを捉えきれていないという場合も考えられます。こうした時に備え、以下のような物語の「型(コツ)」を知っておくと、本の内容をまとめやすくなります。

・序盤:主人公が何かしらのマイナスの設定を抱えている。

(性格や人物設定、人間関係などに注目すると良いでしょう)

・中盤:主人公が何かしらの出来事を経験する。

(その途中で他の登場人物と対立したり、うまくいかないことが起きたりする場合が多くあります。また、主人公が「本当はこうしたい。けど出来ない…」という状態に陥ることもよくあります)

・終盤:その出来事を解決、またはマイナスの設定を乗り越えることで成長する。

 

この「型(コツ)」をまとめると、以下のような文章の型に直すことができます。

「はじめは◯◯という問題があった☆☆が、~~というできごとを通じて……し、◯◯を乗り越えて成長した話」

こうした「成長物語」というのは、想定読者が小学生~中学生の文章では非常に多く見られます。子どもが本のあらすじを書く時に手間取って、時間が掛かっている時は、この流れに沿って書かせると良いでしょう。

(おまけ)説明的文章の概要を書くには?

説明的文章の感想文を書く場合、その本の中心の話題や筆者の意見と理由などで書くと良いでしょう。子供が特定の分野に興味・関心が強い場合は、その部分や章を切り出す形でまとめるのも問題ありません。

2.国語教師推奨!子供が簡単に書ける読書感想文の題材は?

読書自体に抵抗感が無いのであれば、親子で書店に出向き、気になった本を1冊自由に選ばせてあげましょう。その本についての感想文を書くという流れで問題ありません。問題は、読書や活字が嫌いな子供です。その場合、以下のような方針で本を選ぶと良いでしょう。

 ・1つの文章が30~100ページ程度のもの

中編小説がいくつか収録されているものでも問題ないでしょう。活字嫌いだからと言って短編小説を選んでしまうと、あらすじの説明や掘り下げが難しくなり、かえって感想文の難易度が上がってしまいます。ただし、短編小説集でも物語の展開とオチの分かりやすいものもあるため、その場合は短編であってもオススメです。江國香織の「つめたいよるに」はその典型と言えるでしょう。

 ・小学生向けで分かりやすい「成長物語」であること

先ほど述べた「型(コツ)」に当てはめやすいため、多少の難しい部分に目をつぶったとしても感想文の内容を作りやすくなります。

 ・特に精神的に未熟な場合、主人公が子供と「同性」であること

精神的に幼い子供の場合、他人の立場になって物事を想像したり共感したりすることが難しいケースがあります。特に男の子の場合、女の子の立場が全く分からずにちんぷんかんぷんで終わってしまうという場合もあるため、なるべく主人公が子どもと同性であるほうが理解しやすいでしょう。

 ・ハードカバーで文字や本が少し大きく、読みやすいこと

  子供一人の力で本を読み切るのが難しいと考えられる場合、一緒に読み聞かせをすることが求められるため、なるべく一緒に読みやすいタイプの本にすると良いでしょう。

 

こうした条件にあてはまりやすい作品を書く作家として、中学受験でも頻出の作家である重松清、あさのあつこ、まはら三桃、浅井リョウ、瀬尾まいこ、森絵都、椰月美智子、三浦しをんなどが挙げられます。

3.(おまけ)「課題図書」はトラップ!?

学校の教師や教育委員会が課題図書を提示する場合がありますが、そのほとんどは子供たちに共感しにくい作りとなっています。なぜなら、課題図書を推薦するのは学校の教師や教育に関わる「大人」たちであり、大人の考える「良い子」像に合致するものが選ばれる可能性が高く、それが子供にとって見れば「良い子のお仕着せ」に感じられてしまう場合が多いからです。無論、それを逆手に取って「良い子」を演じる感想文を作れることもありますが、そうした芸当が出来るのは、周囲が期待する子ども像を理解できる、精神的に成熟度が高い子供に限られてしまいます。

 ・読書感想文の型は「あらすじ→実生活とのつながりと気付き→意見・感想」

 ・物語文の型は「成長物語」が多く、感想文が作りやすい。

 ・題材とする文は、長すぎず、短すぎず、主人公が子供と同性であること。

 

4.読書感想文に深みを出す家庭での「声かけ」と「アドバイス」

共感したポイントを探り出すことがコツ

読書感想文の型の2つ目のポイントである「実生活とのつながり」を導くためには、その文章の内容やあらすじで共感した部分に気づくことが重要です。子供が文章を読んでいるときには、話の内容や上辺の部分にさっと目を通すだけのことも多いので、自力で読書感想文を書こうとすると「あらすじの先が思いつかない…」「書き出しが書けない」というケースが多く発生します。それを防ぐためには、以下のような声かけをすることが肝心となります。

 ・「どこのお話の部分を一番覚えているかな?どういうところが気になったかな?」

 ・「このお話で「よかったなあ」って思うところはどこだったかな?何でかな?」

気づきの部分は文章全体を踏まえる必要はないので、特に物語の中でも興味や関心を惹いたシーンに考えを限定することで、掘り下げを行いやすくします。感想を中心に作文する場合、特にどこに感情移入をしたのかを中心に作文させるとよいため、感情移入した部分とその理由を会話しながら掘り下げると良いでしょう。

 ・「このお話で一番自分の考えとそっくりだった人はだれ?なんでそう思ったの?」

共感を覚える人物を特定することで、自分の生活や考えとの類似点を見出すことが出来ます。逆に「このお話で自分が一番理解できなかったことを言ったりしたりした人はだれかな?どうしてそう思ったのかな?」「◯◯のお友達に近いなあって思った人物は誰かな?」という声かけをすると、立場の違う人物にも視点を広げることが出来ます。

・常に「なぜ?」を意識させるように指導することがコツ!

・感想や意見に対して理由を述べるように指導することがコツ!

・文章の内容も多くなるだけでなく、説明に深みが出てくるようになる

 

5.実生活とのつながりを導くことがコツ

実生活とのつながりというのは、子供の生活や人間関係、友達付き合いなどで起こったことと本文の内容を関連付けることを指します。こうしたポイントを踏まえるために、以下のような声かけが有効となります。

 

 ・「こんなこと言われて(されて)イヤだったなあとか良かったなあって思うことはあった?」

  ・「このお話で自分も似たようなことした(された)なあって思うことはある?」

  ・「もし、このお話のことで本当になったら良いなあ(いやだなあ)って思うことはある?」

  ・「このお話の人物で、こんな友達や先生がいればいいなあって思うことはある?」

  ・「このお話を読んで、明日からこうしたいなあ(気をつけたいなあ)って思うことはある?」

  ・「友達や教師とかに、ここがわかってほしい(こうなってほしい)って思うことはある?」

声かけの場合も、常に「なぜ?」を問いかける!

6.(おまけ)「つまらない」も立派な感想文!

万が一、選んだ本が子供の感性にあわず、「つまんなかった」となってしまうことで、上記の声かけが全く意味をなさない場合もあります。その場合は、思い切って「つまらない」と思った理由を列挙すること、どうなっていたら面白くなっていたと思うのかを述べさせると効果的です。

 

  ・まずは子供が共感した部分を特定する。

  ・常に「なぜ?」を言わせるように声かけを。

  ・身の回りのことや人間関係とのつながりを考えさせてみる。

7.親子で実践!指導するための簡単なコツとは!?

 

文章を書くことが下手な子供には、大人がケアしてあげると良い部分がいくつかあります。

 ・文章と文章をつなぐ「助詞」の部分

 ・「接続語」の使い方

 ・「主語と述語」の対応 

近年、コミュニケーションツールとしてLINEなどのメッセージアプリが多く使われるようになっています。その影響で、子供同士の会話や親子間のやりとりであっても、一文が長い文章を書かなくなってきている傾向になります。すると、子供たちは「助詞」や「接続語」といった機能語の運用力が低下してしまいます。長い文章を書くのが下手な子供というのは、得てしてこうした機能語の運用力が低いものです。そこで、子供が文章が書いているときには、文と文のつなぎの使い方が正しいかどうか、接続語が適切かどうか、主語と述語のねじれが無いかどうかを確認すると良いでしょう。もし、こうした機能語の運用にミスがあったとしても、子供を叱るのは控えるべきです。学校でも正しい文章を書くトレーニングが十分なされていない以上、ミスが出るのは仕方のないことであり、そうしたミスに対しては「ここはこう使うのが良いんだよ」と、一つ一つ確認するようにして書き方のトレーニングをご家庭で行うことが重要となります。

読書感想文は親子で実施で、負担減!

 

以上のように、読書感想文は「型(コツ)」を知っていること、その流れを作るのに必要な「声かけ」を すること、文章を適切に書くための「指導」を行うこと、これら3つを行えば、読書感想文に追われ、無駄な時間の多い夏休みを過ごす…ということはなくなるでしょう。

 

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